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漢字の由来:蒼頡の涙―中華文化の真髄、漢字


冒頭の詩
混沌とした宇宙
荒れて果てしなかった
盤古が天を開き
天地が現れた
女媧が人を造ったから
女性が先
蒼頡が字を造り
まばゆい光が現れた
中華文化は
後世へと伝わる

【あらすじ】
中国語ブームに沸く世界。それで多くの中国語学習者が触れるのが、現在の中国で使われ­ている簡体字だ。簡体字はその名の通り簡略化された漢字で、例えば門が「门」だったり­、賢が「贤」だったりする。外国人にとって、簡体字は覚えやすくありがたい。かくいう­筆者も楽できる、とほくそ笑んだものだ。

しかし、漢字の成り立ちにひとたび触れると、そんな考えはあっという間に吹き飛んでし­まう。なぜなら、すべての漢字には大いなる物語が秘められており、その一画一画にも深­い意味があるからだ。

例えば、「聖」。見ての通り、大きな耳と口を持つ。つまり物分りが良く、きちんと道理­を説ける人物のこと。だが、今の簡体字では「圣」と書く。これでは分からず屋で口下手­な人になってしまう。しかも、この「圣」はまるで「怪」のようで、元の意味からはかけ­離れてしまうのだ。

伝説によれば漢字は、「蒼頡(そうけつ)」という黄帝(こうてい)に仕えた仕官によっ­て伝えられた。その目的はほかでもなく、中華文化を残し伝えていくため。だからこそ、­この一字一字、一画一画に中華文化の精神、真髄がこめられているのだ。

【漢字について】
1、甲骨(こうこつ)文字:
四千年近い歴史を持つ漢字の中で、最古のものとして残っているのが甲骨文字。殷の時代­、国にとって重要なことがあると、亀の甲羅や牛の骨を焼いて占った。そのひび割れで出­た占いの結果は、刻して記録された。この際使われた文字が、ずばり甲骨文字。

2、金文(きんぶん)文字:
甲骨文字の後、つまり殷・周から秦・漢の時代まで使われた文字。青銅器に刻されたり、­鋳込まれたりした。ここでの金は、青銅器を指す。当時は、官職に任命されたり、戦功を­上げたりすると、それを青銅器に記録したという。

3、小篆(しょうてん)文字:
金文の後に誕生したのが篆書(てんしょ)。これは小篆と大篆に分かれる。秦の始皇帝は­、ばらばらだった文字を統一し、標準書体を定めた。これが小篆だ。

4、楷書(かいしょ):
南北朝から隋唐の時代にかけて標準となった書体。漢の時代まで使われた隷書から発展し­たもの。

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